【書評】『20代の勉強力で人生の伸びしろは決まる』を読み返し!
この本のタイトルを見たら、20代の人はだいたい気になるのではないでしょうか。
最初に読んだのはもう半年くらい前だけど、今年で20代半ばに差しかかるので、また読み返しました。
書店で見かけたとき「え、僕まだ20代よ?」とスルーしかけたものの、なんでも20代で「人生の伸びしろ」が決まるらしい。
そりゃあ20代の人なら気になりますよ。
20代というと学生も含まれる年齢だけど、ご安心あれ。
この本は所々学生にも役立つことが書いてあるし、どうせすぐ社会人になる時期なのだから、学生のうちに読んでおくのも良いと思います。
どんな本?
これから社会人になる人、すでに社会人になっていて仕事や生き方など手探り状態の人向けに、20代で学ぶべきことが浅く広く、でも必要十分なボリュームで書かれていました。
たまにある「他のことは必要最低限でいい。とにかく仕事と勉強に集中しろ!」みたいな本に比べればかなりマイルドな仕上がりです。
初版が2011年と10年以上前ですが、2023年現在で読んでも古さを感じなかったので内容は普遍的ですね。
お金・仕事・人間関係など本当に広い範囲について言及されており、一つひとつは薄味ですが、それぞれのテーマについて勉強する足掛かりになると思います。
本書を一通り読んでみて、もっと深堀りしたいテーマがあれば別で1冊本を読むといいでしょう。
本書は8つの章で構成されており、それぞれ独立した内容になっているため、どこから読んでも問題ないです。
読み返しをするとき便利ですね。
- パラダイムシフト
- 本から学ぶ
- 人から学ぶ
- 仕事から学ぶ
- 組織から学ぶ
- 時間から学ぶ
- お金から学ぶ
- 学び方を学ぶ
それぞれの章に10個の学びが書かれていて、1つの学びはたった2ページで完結します。
この2ページという分量が過不足なく丁度良かったです。
ただ、章立てを見ても分かるように書いてある内容の範囲が広いので、人によって本書のどこかに納得いかない箇所はあると思います。
- 章立てやページ配分など、本としての構成は秀逸。
- 言及する範囲が広いので、人によって合う・合わない箇所がある。
この本を読んでどうなる?
20代でこの本を読むと……
どうもなりません。
まあ厳密には「この本を読んだだけでは何も起きませんよ」ですね。
謎の魔導書ではないので、読んだら何かが変わって億万長者になったり、明日から合コンでモテモテになったりはしません。
書いてあることを継続して実践していくと少しずつ行動パターンや習慣が変化して、結果的にその人の伸びしろが大きくなります、という内容です。
色々なことを書いてあるので、いきなり全部覚えたり実践したりする必要はないと思います。
たとえば第2章の「10代でハマった漫画をもう一度読んでみる。」なんかは実践しやすいだろうし、これだけでも得るものがあります。
バトル漫画を読み返せば、10代の頃はバトルシーンばかりに目が行っていたのに、20代の今は戦闘に至るまでの背景やキャラクターの心情を汲み取るようになっているかもしれません。
そんな成長した自分に気付くだけでも収穫ですし、やることは昔買った漫画を読むだけです。
もしドラゴンボールを読んでクリリンが羨しいと思ったら大人になった証です。
ほかにも「こっちのスケジュールが狂うから、時間泥棒には近づくな」など覚えておくだけで役に立つことも書いてあります。
まずはこの本の中からとっつきやすい学びを1つだけ実践して、効果があったらまた別の学びを実践してみればいいと思います。
- 何かのハウツー本ではないので、即効で役に立つ内容ではない。
継続することで人生が変化していく。 - いきなり全部を実践する必要はなし。
やりやすそうな学びから実践してみればOK。
まとめ
冒頭で触れたように、20代がこれから生きていくために必要な学びが書かれた本です。
仕事で猛烈に出世したいとか、起業に成功して金持ちになりたり、という人にはおすすめしません。
その熱量に応えられるもっと別な本を探した方がいいです。
この本をおすすめできるのはこんな人です。
- 20代を迎えた学生
- 社会人になって、これからの生き方を模索している人
- 「仕事にフルスロットル!!」みたいな刺激の強い本を読めない人
あくまで「人生」について「浅く広く」学ぶ本になっています。
ガッツリ勉強したい人には少々ボリューム不足な感がありますが、良く言えば万人向けです。
でも書いてあることを1つでも実践してみると確かに良いことがあります。
時間泥棒な人との会話を最低限にすると、1日あたりの仕事の成果はちょっと上がりましたし、本の立ち読み時間を減らして見出しや目次から「買い」か判断するようにしたら休日の時間を立ち読み以外にたくさん使えるようになって本もハズレを引いていません。
まだまだ私の人生経験が足りなくて理解しきれていない箇所もあると思うので、20代のうちは何かにつけこの本を読み返そうと思います。